床にお尻をこすりつるしぐさ、それはもしかして肛門周囲廔かも?~症状と予防法~

犬や猫には、肛門の周りに肛門嚢(のう)というにおいのする分泌物を出す袋があります。この肛門嚢が感染症などにより炎症を起こし、症状が肛門周囲に進行して腫瘍ができ、腫瘍が破れて廔孔(ろうこう)という穴が開いてしまう病気を肛門周囲廔といいます。

 

【症状】お尻を咬んだり床にこすりつけるしぐさ

肛門周囲廔になると、肛門周囲にびらんや潰瘍、出血、悪臭のある分泌物がみられ、排泄時に痛みを感じたり、便秘や下痢になったりします。痛みのために肛門周囲を咬んだり舐めたりするようになり、お尻を床にこすりつけるようにして歩くこともあります。

肛門周囲廔は犬では平均5~8歳の雄によくみられる病気で、大型犬、とくにジャーマン・シェパードにおける発症率が高いとされています。

 

【原因】肛門周辺に瘻孔(ろうこう)という穴ができる

肛門周囲廔は進行性の病気で、肛門周辺の膿瘍を特徴としています。肛門および周辺の皮膚の汗腺や皮脂腺に起きた炎症が、細菌感染などによって悪化して膿瘍を形成します。膿瘍は自然に破れて膿が排出され、瘻孔というトンネルのような穴ができます。軽度のうちは体表に穴が開く程度ですが、症状が進むと瘻孔と瘻孔がつながったり、直腸や腹腔など深部まで達することもあります。瘻孔は炎症を起こしやすく、再発を繰り返すこともあります。免疫反応の異常や食物アレルギーなどが要因として考えられていますが、根本的な原因は解明されていません。

発症率が比較的高いジャーマン・シェパードは、肛門周辺の腺がほかの犬種に比べて多く、自己免疫疾患にかかりやすいという性質により、この病気を発症しやすいとされています。

 

【治療】内科的治療と外科的治療

治療では、まず洗浄したり毛を刈ったりして患部周辺の衛生管理を行い、細菌感染に対する抗生物質や鎮痛剤投与などの内科的治療を行います。免疫抑制剤であるシクロスポリンも効果が認められています。また、膿瘍や壊死した組織を切除する手術を行う外科的治療法もあります。

 

【予防】排泄時の様子をチェックする

ふだんからペットの排泄時の様子をよく観察しておくと、異変にいち早く気づくことができるでしょう。肛門周辺をしきりに舐めたり、おしりを床や地面にこすりつけて歩いたり、なかなか便が出ない、排便時に痛がって鳴くなどの様子が見られたら、早めに病院で相談しましょう。また、肛門嚢を定期的に絞っておくと予防につながります。自分で絞るのが難しい場合は、かかりつけの病院やトリミングの際にお願いするといいでしょう。

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