皮膚にできるがんの中で最も多い肥満細胞腫について~症状と治療法~

肥満細胞とは、免疫系の一部を形成する細胞で、寄生虫など異物の侵入から体を保護するはたらきをします。この細胞が腫瘍化したのが肥満細胞腫という病気で、腫瘍は良性から悪性までさまざまです。外見の形状に特徴がないため診断が遅れることもあり、悪性の場合は他の器官に転移しやすく予後があまりよくありません。

 

【症状】さまざまな形状と症状があらわれる

肥満細胞腫は、犬では主に皮膚にみられ、猫では頭や首周りにできやすいですが、それぞれ他の部位に発生することもあります。外見は腫瘍化、腫瘤状、浮腫状、脱毛をともなう小さなしこりなどさまざまな形状をしているため、見た目だけで良性か悪性かを判断することは困難です。症状が進行し、転移したり全身に広がったりすると、血便、嘔吐、下痢、食欲不振、体重の減少、皮膚のかゆみや炎症、出血などの症状が生じます。

 

【原因】発症の原因は不明

肥満細胞腫のはっきりした原因は明らかになっていません。すべての年齢で発症する可能性がありますが、平均的には犬猫ともに9歳前後での発症が多くみられます。品種による遺伝的要因や、慢性的な炎症が発症の原因として考えられています。

 

【治療】腫瘍のタイプや病状に応じた治療を行う

はじめに腫瘍の良性・悪性を診断するために、腫瘍細胞を針を刺して採取し顕微鏡で検査を行います。肥満細胞腫の治療には、外科手術による切除、化学療法、放射線療法があります。腫瘍の悪性度や病状の進行具合、発症した部位に応じて治療法を選択します。外科手術では、再発を防止するために広い範囲で切除する必要があります。手術での切除が難しい四肢などには、放射線治療が有効です。全身に転移していたり、手術や放射線治療が不可能な場合には、抗がん剤による化学療法が行われます。それぞれの治療方法を単独で行う場合も、併用して行う場合もあります。

 

【予防】早期発見・早期治療が最善策

肥満細胞腫の予防自体は困難であるといえますが、腫瘍が小さく転移しないうちに早期発見・早期治療を心がけることが最善策となります。腫瘍ができても外観に特徴がなく形状がさまざまなので発見が難しいですが、もし嘔吐や下痢、食欲不振などの不調が長引くようであれば病院で診てもらうのがいいでしょう。

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