免疫機能の異常が原因?死に至るおそれもある尋常性天疱瘡とは

尋常性天疱瘡は、免疫機能が正常な働きをできなくなることによって引き起こされる天疱瘡の1種です。

上皮に症状があらわれる落葉状天疱瘡に対し、より深部が過剰な免疫反応によって攻撃されます。

そのため、尋常性天疱瘡では粘膜と表皮で症状がみられ、場合によっては表皮が剥がれてびらんになることもあります。

口腔内に症状があらわれると、食事をとるのが困難になり、食欲不振や大量のよだれなどの症状があらわれる場合もあります。

猫の場合、まれに体が衰弱して命を落とすこともあるので、適切な処置が必要です。

【症状】尋常性天疱瘡の症状

尋常性天疱瘡は、皮膚だけでなく粘膜や、皮膚と粘膜の境目に症状があらわれます。

具体的には、水疱や広範囲のただれ、潰瘍、びらんなどが報告されています。

また、口腔内の粘膜や食道、肛門、脇の下、鼠径部、爪などに症状がみられることもあります。

皮膚が薄い場所に症状があらわれることから強いかゆみが起こりやすく、掻き壊しや脱毛がみられる場合もあります。

最悪の場合、掻き壊しから二次感染を引き起こし、死亡することもあるので注意が必要です。

【原因】尋常性天疱瘡の原因

この症状の大きな原因は、免疫機能の働きです。

通常、免疫機能は体内に異物が入り込んできた際に反応し、異物を攻撃して排除します。

しかし、何らかの影響で免疫機能が正常に働かなくなると、もともと体内に存在しているものを異物と勘違いして攻撃してしまいます。

尋常性天疱瘡の場合、細胞と細胞を結びつけている部位にあるデスモグレイン3というタンパク質が攻撃され、症状につながります。

【治療】尋常性天疱瘡の治療

ステロイド薬や免疫抑制薬を使い、過剰に働いている免疫機能を調節します。

細菌の二次感染が起きている場合や、細菌感染を防ぐ目的で抗生物質を投与することもあります。

場合によっては、免疫機能を調整する効果があるビタミン剤や漢方薬を組み合わせ、治療を行うこともあります。

 

尋常性天疱瘡は一度発症すると完治が難しく、免疫抑制薬の投与は一生涯必要になります。

そのため、一定期間の投与で症状が改善したあとは、複数の免疫抑制薬を組み合わせたり、なるべく低用量になるよう用量を調整したりします。

投薬を中止すると再発する場合もあり、長期的な治療が必要なので根気強く治療を続けましょう。

【予防】尋常性天疱瘡の予防

すでに軽く触れているように、尋常性天疱瘡は天疱瘡という皮膚病の1種です。

犬や猫の天疱瘡は、いまだにはっきりわかっていない部分が多くあります。

そのため、尋常性天疱瘡も同様に解明されていない部分が多く、なぜ免疫機能がデスモグレイン3を攻撃してしまうのか不明のままです。

このような特徴があるため、発症しないよう事前に予防するのは難しい面があります。

定期的に全身をチェックして異常がないか確認し、少しでも皮膚や粘膜に何らかの異常がみられた際は速やかに動物病院へ連れていきましょう。

紫外線の影響が症状に関係していると考えられており、紫外線を浴びすぎないようにするのも有効です。

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